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お母さんが大好き [作者のおすすめ]

ある町に素敵な花屋さんがありました。
この花屋さんはひとりのお母さんが一生懸命続けているお店でした。
女の子は、そんなお母さんを見ながら育ちました。
「お母さんは偉いなぁ。お花の勉強だけでも大変なのに、朝早くから花の仕入れに行って、私の朝ご飯を作ってくれて、お店のお掃除をして、きれいに花を飾って、お店を開いても、ずっとお客さんを待っていなきゃならないし、質問されたら何でもすぐに答えなきゃいけないし、時々配達にも行くし、お昼はひとりで簡単な物しか食べられないし、お店を閉めるにも、花の後始末はとても大変そうだし、晩ご飯に、お風呂の準備、洗濯、掃除、その日のお金の出入りを記録しているし、とにかく大変な1日だなぁ」
そう考えると、女の子は何かお母さんが喜ぶお手伝いをしたくなってきました。
でも、まだ小学生の女の子に出来ることは、あまりありませんでした。
そこで、せめて自分のことは自分でやろうと決めました。
次の日から、自分の食器は自分で洗いました。乾いた洗濯物は自分でたたんで、自分のタンスにしまいました。
そんな女の子の変化を、お母さんはすぐに気付いていました。
しばらくして、小学校で授業参観がありました。女の子のお母さんは、「いつも、お店で、授業参観に行ってあげられなかったけど、今度の授業参観はお店をお休みにして行くわ」と言ってくれました。それを聞いた女の子はワクワクしていました。
授業参観では、子供たちが「将来の夢」という作文をみんなの前で読みました。
女の子は、大きな声で「私の将来の夢は、お母さんと一緒にお花屋さんを頑張ることです」と言いました。
授業参観の帰り道、ふたりは手をつないで帰りました。
お母さんは「今日はお店お休みだから、ふたりで公園に行こう」と言いました。
公園で、女の子はたくさんの花を摘んで、ベンチに並べました。
小さな子がその花を見に来ると、女の子は、「今日はこのお花がおすすめですよ」と言いました。
それを聞いたお母さんは、女の子を強く抱きしめました。
じゃ、おやすみ。


2012-04-20 19:23  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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