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心配性のおじいちゃん(S家の物語シリーズ) [S家の物語シリーズ]

S家のおじいちゃんが歩いていて足の指をぶつけたとき、病院で看護師さんが足の指の様子を看てくれました。
大したケガではなかったのですが、心配性のおじいちゃんは、「手術になるんじゃないか、歩けなくなったらどうしよう、このまま死んでしまったらどうしよう」と考えて震えていました。
病院に連れて行ったお母さんは、「ただ、ぶつけただけだから、湿布しておけばいいのに」と考えていました。
そんなこともあって、診察室の中には、何とも言えない緊張した空気が流れていました。
そのとき、看護師さんがおじいちゃんに言いました。
「指は、動かせますか ? 試しに動かしてみて下さい」
すると、それを聞いたおじいちゃんは、わなわなと震えながら、手をグーとパーにして「むすんでひらいて」をしました。
お母さんと看護師さんは、一瞬考えてから、クスクスと笑い出しました。
看護師さんは、笑いをこらえながら、「足の指は動きますか ? 」と聞き返しました。
おじいちゃんは何事も無かったかのように足の指をクイクイと動かして見せました。
少し離れたところで見ていた先生は、「湿布10枚」と書き込みました。
じゃ、おやすみ。


2012-05-16 08:59  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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