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耳の短いウサギの話 その9 (奄美大島編) [耳の短いウサギシリーズ]

ある山に一匹だけ耳の短いウサギがいました。
本当はウサギは鳥のように1羽2羽と数えます。
さて、アマミノクロウサギと耳の短いウサギは、仲良く海の方に出かけました。
真っ暗な海でしたが、近くの中学生が花火をして遊んでいるのが見えました。
「火を使う人間は、ちょっと怖いね。気をつけよう」とアマミノクロウサギが言いました。
人間と遊び慣れている耳の短いウサギは、「平気だよ。一緒に遊ぼうよ」と言いました。
ふたりは中学生の方に近づいて行きました。
中学生は女の子3人と、男の子4人でした。
女の子のひとりが、「ウサギが来た。かわいい ! 」と言って耳の短いウサギを抱き上げました。耳の短いウサギは、うれしそうに手をパチパチしました。
男の子が「本当だ。かわいい ! 」と言って、アマミノクロウサギを抱き上げました。アマミノクロウサギはびっくりして、するどい爪で男の子をひっかきました。
「いててててて」男の子は泣きそうになりました。
周りの子たちは、「あはははは、アマミノクロウサギは爪がするどいんだぞ」と言いました。
女の子が耳の短いウサギのしっぽを「かわいい ! 」と言ってクニュクニュつかみました。
耳の短いウサギは、短い耳をピクピクさせて嬉しそうに笑いました。
男の子がアマミノクロウサギのしっぽをつかまえました。
アマミノクロウサギはびっくりしておならをプっとかましました。
周りの子たちは「あはははは、アマミノクロウサギのおならはくさいんだぞぉ。」と言いました。
女の子が「かわいい ! 」と言って耳の短いウサギを抱きしめました。
耳の短いウサギは嬉しくなって、耳をバタバタさせたので、女の子も一緒に空に浮かびました。
びっくりした男の子が、「俺も空を飛びたい ! 」と言ってアマミノクロウサギに抱きつきました。
びっくりしたアマミノクロウサギは、逃げながら男の子のおしりをガブっとかみました。男の子は「いたーーーい」と言って飛び上がりました。
周りの子たちは、「あはははは、それは空を飛んでいるんじゃなくて、飛び跳ねてるだけだぞ」と言って笑いました。
みんなは、耳の短いウサギに抱きついている女の子に抱きつきました。
耳の短いウサギが頑張って耳をパタパタさせたので、中学生たちはみんな空に浮かびました。
「わーー、すごい」
「夢みたい ! 」
「俺たち、空を飛んでる ! 」
中学生たちは大喜びしました。
ひとりの男の子が「そうだ ! 」と言って、ポケットから花火を取り出し、火を点けました。
花火はうつくしい火花になって地上に降り注がれました。
奄美大島の人たちはみんな、「こんなに美しい流れ星を見るのは初めてだ ! 」と言って大喜びしました。
アマミノクロウサギだけは、「あいつの方が、よっぽど珍しいウサギじゃん」と言いました。
じゃ、おやすみ。


2022-08-22 07:25  nice!(0)  コメント(0) 
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