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田んぼのヤマネ(小さな動物シリーズ) [小さな動物シリーズ]

ある村にヤマネが住んでいました。
ヤマネは人里近くに住んでいる小さな動物で、特徴は背中の真ん中に真っ直ぐ伸びた黒い一本線があることです。
体が小さいので細い枝を上手に歩くことが出来るのですが、背中の黒い一本線がちょうど枝と重なって、他の動物には細い木の枝にしか見えないのです。
さて、そのヤマネが田んぼでおばあちゃんに会いました。
おばあちゃんにはヤマネは小さ過ぎてよく見えませんでした。
ヤマネは、おばあちゃんが大変そうに田んぼ仕事をしているので心配でした。
ヤマネはおばあちゃんの肩に乗って応援しましたが、おばあちゃんは耳が遠いのでヤマネの声には気が付いてくれませんでした。
おばあちゃんが植えた稲の苗が曲がっていたりすると、ヤマネは一生懸命に苗を真っ直ぐに直しました。おばあちゃんは手が震えるので、上手に真っ直ぐに苗を植えることが出来ないのでした。
ヤマネはおばあちゃんの腰にくっついて、おばあちゃんの腰が痛くならないように腰を揉んだりしました。
でも、おばあちゃんの腰はすっかり固くなってしまっていて、小さなヤマネが揉んでも全然ほぐれませんでした。
ヤマネは「おばあちゃんは、ずいぶん長い間この田んぼで働き続けてきたんだなぁ」と思いました。
ヤマネは仲間をたくさん呼びました。
そして、たくさんのヤマネたちは、おばあちゃんの田んぼに2列に並びました。すると、おばあちゃんは2列のヤマネの間しか歩けなくなったので、自然に真っ直ぐに苗を植えることが出来るようになりました。
ヤマネの背中の一本線が繋がって、田んぼはシマシマ模様になっていました。
それを見たヤマネは、いい考えが浮かびました。
ヤマネは仲間たちに頼んで、田んぼに順番に並んでもらいました。
ヤマネの背中の一本線が繋がって、「オバアチャン、ダイスキ ! 」という字になりました。
おばあちゃんは目がよく見えないので、その字は見えなかったと思いますが、とっても嬉しそうな顔をして、「あとは、ほったらかしていてもお米ができるぞぉ」と言いました。
ヤマネは「おばあちゃん元気そうだ。よかった」と思いました。
じゃ、おやすみ。


2022-09-22 10:28  nice!(0)  コメント(0) 
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