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耳の短いウサギの話 その11 (奄美大島編) [耳の短いウサギシリーズ]

ある山に一匹だけ耳の短いウサギがいました。
本当はウサギは鳥のように1羽2羽と数えます。
さて、耳を伸ばす体操を頑張ったアマミノクロウサギたちは、「次はいよいよ空を飛ぶ番だ」とワクワクしていました。
耳の短いウサギも、「ボクみたいに耳が短くても空が飛べるんだし、タヌキと違って、この子たちはウサギだから、もう飛べるかもしれない」と思いました。
そこで、どうせ飛ぶならみんなに見てもらおうと考えて、みんなを連れて奄美大島第一中学校に行きました。このあいだの中学生が応援してくれると思ったからです。
みんなでゾロゾロと中学校の校庭に入っていきました。
ピョンピョンではなく、ゾロゾロと行ったのは、アマミノクロウサギはピョンピョン跳べないからでした。耳の短いウサギは、そこがちょっと不安でした。
中学生たちはすぐにウサギたちに気が付いて、窓から「きゃー、ウサギがたくさん来た ! かわいい ! 」と言って、授業をほったらかして手を振ってくれました。先生も一緒になって手を振っています。
ウサギたちは、さっそく耳を伸ばす体操を始めました。
「かわいい !」
「ダンスしてるぞ ! 」
「おまじないじゃないか ? 」
「とにかくかわいい ! 」
中学生たちは大喜びです。先生は、「ビデオに撮ってテレビ局に知らせよう」と言ってカメラを出してきました。
ウサギたちは、耳の短いウサギの号令に従って、耳をパタパタさせました。
すると、みんなは、フワっと浮かび上がりました。
アマミノクロウサギたちは大喜び、見ていた中学生たちは目をぱちくりさせて驚きました。先生はカメラを抱えながら腰を抜かしていました。
耳の短いウサギとアマミノクロウサギたちは、校庭を覆うほどの勢いで空を飛び回りました。
中学生たちは、窓から体を乗り出すようにしてウサギたちを応援しました。
耳の短いウサギが、「せーの ! 」と言うと、アマミノクロウサギたちは、一斉に手に持っていた森の花を散らせました。
中学校は空から降ってくるたくさんの花に包まれました。
中学生たちも、夢を見ているようなすばらしい気持ちに包まれました。
耳の短いウサギは、「このあいだ、きれいな花火を見せてくれたお礼だよ」と言いました。
先生は、「みんな、ウサギは1匹2匹じゃない ! 鳥みたいに1羽2羽と数えるんだ、わかったな ! 」と叫びました。
中学生たちは、「はーーーい、一生忘れません ! 」と言いました。
じゃ、おやすみ。


2022-10-22 08:23  nice!(0)  コメント(0) 
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