SSブログ

リスのオリンピック [小さな動物シリーズ]

森に住んでいるリスたちは木の実の種をおいしそうに食べます。歯がとても丈夫なので硬い種もカリカリと食べてしまいます。
木の実が地面にポロポロと落ちる頃はリスたちも大忙しです。木の実を拾っては食べたり、食べきれないものは土の中に埋めてしまったりするからです。リスが埋めてくれた種から芽が出て大きな木に成長することも多いので、木も、リスたちに種をご馳走してくれているのだと思います。
さて、リスたちは落ちた木の実を拾うと必ず木の高いところに登って食べます。
木の上にいるのだったら、落ちる前の木の枝にぶら下がっている木の実を食べた方が楽なような気がしますが、リスたちは木の枝にぶら下がっている木の実は決して食べません。地面に落ちた実だけを拾って、それをわざわざ木の高いところにまた運んで食べるのです。高いところで食べるのは、夢中になって食べていると危ないので、安全な木の上で食べるのですが、絶対に落ちた木の実しか食べないのは、落ちた木の実は木が「食べてもいいよ。」と言ってくれた物だからなのです。木とリスはお互い、ちゃんと決まりを守って生きているのです。
わざわざ木の下に降りて木の実を拾ったらまた木の上に運ばなくてはならないので、リスたちは地面に落ちた木の実の中でも立派な種が入っている物を選んで木の上に運びます。そこで、リスは地面の木の実を一度両手で持ち上げて、重さを量ってから運ぶのです。頭がいいですね。
今日は、木の実の重さを量るリスたちのオリンピックが行われます。たくさんのリスたちが地面の木の実を拾っては、「よいしょ ! 」と重量挙げをするのです。
誰が一番重くて立派な種の入った木の実を探せるか、それがこのオリンピックの勝負です。
リスたちは一列に並んで重量挙げを始めました。
1匹のリスが持ち上げた木の実が一番重くて、金メダルをもらいました。
金メダルをもらったリスは大喜びで「わーい、わーい」と叫びました。周りのみんなは上手に前足で拍手をしてあげました。
金メダルをもらったリスは、その一番立派な種を、負けてしまったリスにあげました。リスの世界では、他の子が拾った種や、埋めておいた種は、誰が食べてもいいという決まりがあるのです。
ですからリスの世界にはケンカがありません。
きちんと決まりを守って生きているリスたちは、いつでも森の人気者でした。
じゃ、おやすみ。


2023-08-04 11:37  nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:育児

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

  ※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]