のろまな猿
ある中くらいの町に中くらいの動物園がありました。その中に中くらいの猿山がありました。
その猿山の猿の中にエサを食べるのがとっても遅い猿がいました。
他の猿は、エサが蒔かれると大騒ぎ。ギャーギャー言いながら走り合い、奪い合いをして食べていましたが、この猿だけはのんびりと近づいて行ってみんなが取り損ねたエサをゆっくりと拾って、自分の場所でゆっくり、ゆっくり食べるのでした。
飼育員さんは「あの猿は大丈夫かなぁ」と心配していましたが、不思議とこの猿はどんどん大きく育っていきました。
そして、とうとうこの猿山で一番大きな猿になり、猿山のボスになりました。
「無駄に騒がず、よく噛んでゆっくり食べていたからあんなに大きくなったんだなぁ」と飼育員さんは驚きました。
この猿がボスになるとボスがゆっくりゆっくりエサを食べるので、他の猿たちも騒がず、争わずゆっくりとエサを食べるようになりました。すると猿たちはとてもニコニコした顔になっていきました。
いつも間にか、子供たちの間で「ニコニコの猿山」は評判になりました。たくさんの子供たちが動物園の猿山に遊びに来るようになりました。中くらいの動物園は大人気になりました。おかげで動物たちのエサもたくさん準備できるようになりました。ですから、他の動物たちもエサを争うことがなくなりました。みんなニコニコの動物園になり、遊びに来る子供たちもつられてニコニコになるのでした。
じゃ、おやすみ。
2010-10-18 12:41
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