消防士さんの気持ち [作者のおすすめ]
むかしむかし、ある町に一人の消防士さんが住んでいました。
消防士さんは火事なんて100年に1回もないこの町で毎日毎日見回りをしていました。
町のみんなは「この町の消防士さんはヒマそうでいいなぁ」なんてよく話していました。
ある風の強い日、あるおじいさんが枯れ葉を燃やしてしまい、その火が風に吹かれて、あっという間におじいさんの家を大きな炎が包んでしまいました。町のみんなはびっくりしたり、おろおろしたり、泣き叫ぶだけでした。消防士さんはそんなみんなに叫びました。「ジュネさんはサキばあさんを背負って河原に運んでくれ。ハジさんとマキさんはリクさんの家にある井戸から水をくんできて。トキさんは自分の家の小屋にある縄をここに持ってきて。ニオさんはマイばあさんの家から斧を持ってきて。キクさんとレンさんは子供たちがここに来ないように見張って……」
消防士さんの大活躍でおじいさんも助け出され、町の人も一人もケガもヤケドもせずに火事の火は消されました。
みんなは「消防士さんが毎日町の見回りをしてくれて、町の全てを知っていてくれたおかげでこの町のみんなは助かった。100年に1回の事のために毎日用心をしてくれていたんだ。どれだけ感謝しても足りない」と言い合いました。
消防士さんは今日も町を見回っています。じゃ、安心してお休み。
2012-02-04 16:55
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