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大雪とおばあさん

ある大雪の日の朝でした。
町のみんなは「今日は雪かきが大変だなぁ」と思って空を見上げていました。
その中に、ひとりのおばけが混じっていました。
おばけは、「オイラの住んでいる家は、おばあさんがひとりだけだ。こんな大雪でも雪かきなんてできっこないなぁ。おばあさん、大丈夫かなぁ」と思いました。
雪はどんどん降り続き、おばあさんとおばけが住んでいる古い家は、今にもつぶれてしまいそうになってきました。
おばけは何とかしようと考えました。
おばけは近所で一番力持ちのおじさんの家に行きました。おじさんは自分の家の雪をさっさとどかして、「どんなもんだい」という顔をしていました。
「このおじさんに頼もう」
おばけはそう思っておじさんの目の前に姿を現しました。
すると、力持ちのおじさんは、「ひゃー !」と言って腰を抜かしてしまい。がたがた震えて熱を出してしまいました。
「なーんだ。力持ちのくせに、だらしがないなぁ」おばけはがっかりしました。
そのあと、おばけは、おまわりさん、消防団の団長さん、国会議員の先生、市長さん、工場の工場長さん、バスの運転手さん、などなどに次々と助けを求めましたが、みーんな震えるばっかりで、誰も役に立ちませんでした。
しかたなくおばけは学校に行く途中の小学生の子供たちに頼みに行きました。
子供たちは、おばけを見ると大喜びです。「かわいい」と言って、おばけを追いかけてくれました。
おばけは子供たちを適当に楽しませながら、おばあさんの家の前に連れてきました。
子供たちは、おばあさんの家を見て、びっくりしました。もう、雪で傾きかけていたからです。
子供たちは出来る限りの大声で叫びました。
「誰か助けてぇ ! おばあさん家が大変だぁ ! 早く来て !」
子供たちの「助けて」の大合唱を聞いて、近所の人たちが集まってきてくれました。
近所の人たちはみんなで力を合わせておばあさんの家の雪をかいてくれました。
おばあさんは近所の人たちに「ありがとう。ありがとう」と言って作ったあずき餅を配りました。
そして、おばあさんはいつものようにあずき餅をお仏壇に供えて、御先祖様に感謝しました。
じゃ、おやすみ。

タグ:先祖 おばけ


2012-02-25 21:25  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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