SSブログ

ゾウはすごい

あるところに隣り合った大きな町がありました。
それぞれの町には大きな動物園がありました。
動物園は10キロメートルほど離れていました。
今日は西の動物園がお休みなので、子供たちはみんな東の動物園に遊びに行っていました。
お休みで人が誰もいない西の動物園では、ゾウが飼育員さんからご飯をもらって食べていました。その時、飼育員さんが急に胸を押さえて倒れてしまいました。
ゾウは頭がいいので、すぐに飼育員さんが病気になってしまったことに気がつきました。
すると、ゾウは何かを考えているような様子で、じっと動かなくなってしまいました。
その頃、東の動物園では子供たちがかわいい動物たちと楽しそうに遊んでいましたが、2頭いるゾウが急に涙をこぼして「パオ−、パオ−」となき始めました。
子供たちは心配して、すぐに動物園の飼育員のお姉さんに知らせました。
お姉さんは、泣き叫ぶゾウたちを見ても、何がどうしたのか全然わかりませんでした。
困ったお姉さんは西の動物園のベテラン飼育員に相談しようと電話を掛けました。
でも、いくら呼び出しても西の動物園の飼育員さんは電話に出てくれません。
仕方なく西の動物園の園長に電話をしました。
園長は「飼育員さんならそろそろゾウの餌やりも終わっている頃だけどなぁ。わかった。私が見てくるよ」
ゾウの飼育場所に向かった園長さんは飼育員さんが倒れているのを発見してびっくり。すぐに救急車を呼んで病院に行きました。
しばらくして、お姉さん飼育員は、西の動物園の飼育員さんの病院にお見舞いに行きました。
飼育員さんは「ありがとう。君の電話のおかげで助かったよ」と言いました。
お姉さん飼育員は「いえ、たまたまうちのゾウがなき出したので電話しただけなんですよ」と言いました。
ベテランの飼育員さんは「たまたまじゃないんだよ。うちのゾウが私を助けるためにそちらの動物園のゾウに連絡してくれたんだよ」
「えっ?」
「知らないのかい? ゾウはね、私たち人間の耳には聞こえない、とても低い声で仲間と連絡が出来るんだ。うちとそちらのように10キロ離れていたって、その声は届くんだよ」
「そうなんですか。じゃ、うちのゾウは飼育員さんを助けてくれってないていたんですね」
「そうだよ。元気になって動物園に戻ったら、今まで以上にゾウや動物たちをかわいがってあげなきゃね」
「わたしも、これからもっともっと動物の勉強をして、もっともっとかわいがります」
若いお姉さん飼育員は声を弾ませてそう言いました。
じゃ、おやすみ。


2012-03-02 08:59  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:育児

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]