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お皿地蔵様のお話

ある小さな村の道ばたにお地蔵様が立っていました。
お地蔵様は村の人たちがお団子やら、おまんじゅうやら、お賽銭をくれるので、特に生活に困ることはありませんでした。
ところがある年、村は大変な台風に襲われて、お米も野菜も果物も、全滅してしまいました。
村人たちは「困った、困った。こんな時はお地蔵様を拝むしかねぇ」と言って、いつもよりもたくさんの人が拝みに来ました。
でも、大変な被害だったので、誰もお地蔵様に供える物を持ってくることが出来ませんでした。
お地蔵様は、「これではわしの生活も大変だ。何とかしなければ」と考えました。
そこで、お地蔵様は村人っぽい人に姿を変えて歩き出しました。
村人っぽい人は村の真ん中の広場で大きな焚き火をしました。そして、その周りでめちゃめちゃな踊りを踊り始めました。
村人たちは、何が始まったのかと驚き、広場に集まりました。
村人っぽい人はみんなに「こういう時は、踊れ、踊れ」と言いました。
村人たちも、苦しい思いばかりをしていたので「そうだ、そうだ。踊ろう、踊ろう」と言って、みんなで踊り出しました。
踊りが終わって焚き火の中を見てみると、土がちょうどよく焼けて、よいお皿が出来ていました。お皿は、毎日毎日、踊りを踊るたびにできました。お皿を売ったお金で村は助かりました。
次の年は台風もなく、村ではたくさんのお米や野菜がとれました。
村人たちは「あの村人っぽい人のおかげだ」「あの人は、きっとお地蔵様に違いない」と言って、お皿にお団子をのせて、お地蔵様にお供えしました。
お地蔵様は「もっと大きなお皿にしておけばよかったかな」と思ったそうです。
じゃ、おやすみ。


2012-03-03 17:24  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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