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金色の栗の実は誰の手に ?

ある森の中に一本の立派な栗の木がありました。
ある日、その栗の木のてっぺんに金色に光り輝く栗の実が出来ました。
森の生き物たちは「俺があの実をとってくる」「わたしがあの実をとってくる」とはりきりました。
最初に栗の木に飛び付いたのは力自慢のゴリラでした。ゴリラは栗の木を力一杯ゆすって、実を落とそうとしました。でも、金色の実は揺れることもなく、下の方に付いていた実がバラバラと落ちてきました。
ゴリラは栗の実のイガイガが体中に刺さって「痛いよぉ」と泣き出してしまいました。
次に、オオカミが勢いよく栗の木に走っていきましたが、ゴリラが落としたイガイガを踏んで、やっぱり泣きながら帰ってきました。
次に、青虫が進んでいきました。青虫はイガイガの栗を平気で穴を開けて進んでいきます。おいしそうな顔をして青虫は栗の実の向こう側に出ました。
みんなは「青虫ならイガイガを気にせずに進んでいけるぞ」と思いましたが、青虫は地面に落ちている栗を一生懸命食べながら進んでいくので、
「これでは、てっぺんの金の実にたどり着くまで1000年はかかってしまう」
と考え、応援するのもやめてしまいました。
次に、のろまな亀が進んでいきました。亀は上手に固い甲羅を使って、イガイガが刺さらないように進んでいきました。でも、その動きは本当にのろのろでした。
のろまな亀が栗の木の真下にたどり着いた頃には、秋もすっかり深まり、栗の実が勝手にポロポロと落ちてきました。栗の実が落ちてきても、亀は甲羅に隠れて痛くありません。そうして、じっと待っていると、最後に金色に輝く栗の実が落ちてきました。
亀は「やったぁ。金色の栗の実を手に入れたぞ ! 」と得意げにみんなに叫びました。でも、もうその時には、みんなは見るのも飽きて、とっくの昔に家に帰ってしまっていました。
じゃ、おやすみ。

タグ: ゴリラ


2012-03-25 09:48  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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