SSブログ

笑わす人と幸せな人

ある漫才師がお客さんとのやりとりで、こんな笑いを取っていました。
「お客さん、私としりとりしましょう。私が絶対に勝ちますから」と言って漫才師はお客さんたちとしりとりを始めました。
「お客さんからどうぞ」と言うと、客「アメリカ」漫才師「カラス」客「スリッパ」漫才師「パラダイス」客「スイカ」漫才師「かぼす」客「滑り台」漫才師「イス」客「墨」漫才師「ミックス」客「す、す、すじこ」漫才師「コーラス」客「す、す、スマイル」漫才師「ルックス」客「す、す、スライス」漫才師「すす」客「す、す、筋書き」漫才師「キス」客「す、す、す、…」と、どこまで行ってもお客さんは「す」から始まる言葉しか言えないのです。
結局、お客さんは降参してしまうという段取りです。
その漫才を見たYくんは、友達と同じようにしりとりを始めましたが、途中でわからなくなり、笑いを取れませんでした。
「人を笑わせるのは難しいなあ」と思ったYくんは、鏡の前や、友達の前で笑いを取る練習をしました。
ある日、Yくんが学校から帰ってくる途中の道に、ひとりのおじいさんがぽつんと座っていました。
気になったYくんは、「おじいさん、あのな」と言っておじいさんを笑わすような話をしました。
思った通り、おじいさんは、「おもろい子やなぁ」と言って笑ってくれました。
おじいさんが元気そうになったのでYくんも嬉しくなりました。
「おじいさん、ボク、今のネタ、一生懸命練習したんやで。上手やったやろ ? 」とYくんがきくと、「ネタはおもろないな。わしが笑ったのは、あんたが一生懸命やってくれた様子にや」
「はっきり言うなぁ」
「でも、ほんまにありがとな。じいちゃん、元気が出てきたわ」おじいさんはYくんの頭を何度もなでました。
「じいちゃんなぁ、とっても仲良しの友達が病気になって入院してしもうたんや。それで、なんだか、自分が病気になったような気がして、がっくり来てたんやな。でも、もう元気になったで。じいちゃんも人を笑わせられるように練習でもするわ」
おじいさんは何度も振り返って手を振ってくれました。
Yくんは、「やっぱ、笑いは人を幸せにするんやな」と言ってニコニコしました。おじいさんを幸せにした自分自身も幸せな気分になっていることにYくんは気付いていませんでした。
じゃ、おやすみ。


2012-04-26 09:19  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:育児

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

  ※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]