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草原を包み込んだウッドチャックのこころ(小さな動物シリーズ) [小さな動物シリーズ]

ある草原にウッドチャックが住んでいました。
ウッドチャックはリスのようなネズミのようなプレーリードッグのような、茶色で優しくかわいらしい動物です。
そのウッドチャックにいつもエサをくれるおじさんがいました。
おじさんは、いつも同じ岩に腰掛けてギターを弾きながら歌を歌っていました。
その歌がとても素敵なので、ウッドチャックはすぐ近くで聞いていました。
おじさんのギターは、もうボロボロになりかけていました。
おじさんの服もだいぶポロポロでした。
ウッドチャックには、おじさんの心もボロボロのように思えました。
そりは、おじさんが歌を歌いながら時々涙を流している様子を見ていたからでした。
ウッドチャックは、「きっと、おじさんは悲しい思い出があって、歌を歌うとそれを思い出して泣いているんじゃないかな」と思っていました。
そこで、ウッドチャックはおじさんを元気づけてあげたいと思いました。
いつものように歌を歌っているときに、おじさんの前に出て行って踊りを踊り始めました。
おじさんはすぐに気が付いて、「変なウッドチャックだなぁ。おれのギターが好きなのかな ? 」と言いました。
ウッドチャックは、さらに一生懸命に踊りました。
すると、おじさんのギターが、いつもの悲しい感じの曲ではなくなって、楽しい感じの曲に変わりました。
ウッドチャックは、さらに激しく、さらに楽しそうに踊りました。
おじさんも、ついにはギターを抱えながら踊り始めました。
「こんなに楽しい気分は久しぶりだ。なんて、素敵な草原なんだ ! 」おじさんは叫びました。
おじさんは何か重たい荷物を背中から下ろしたときのような顔をしていました。
気が付くと、ウッドチャックの周りの草原は、踊りまくる小さな動物たちでいっぱいになっていました。
ウッドチャックも、「何て素敵な草原なんだ ! 」と叫びました。
じゃ、おやすみ。


2012-05-22 07:49  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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