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お母さんと子供たちの命を守ってくださった先生 [ちょっと大人向けかな?シリーズ]

ある町で、大きな地震がありました。
その時、お母さんは小さな女の子二人を連れてピアノ教室にいました。
いままで経験したことの無いような長くて大きな地震でした。
お母さんはすぐに小学校に行っている長女のことが心配で心配で仕方なくなりました。すこし揺れがおさまってくると、下の子供二人を車に乗せて、急いで娘の通う小学校に向かいました。
小学校に着いたお母さんは玄関で会った先生に向かって「娘を連れに来ました。娘と一緒に家に帰りますので娘を帰して下さい」とお願いしました。
先生は「子供たちはひとりも帰しません ! この後、津波が来るかも知りませんので全員で裏の山に避難します。お母さんも妹さんたちも子供たちと一緒に逃げて下さい ! 」と言いました。
お母さんは、娘を連れて帰れないと知ってショックでしたが、先生はきっぱりとそう言って、厳しい顔をしていました。
お母さんはその先生の迫力に押されて、仕方なく小さい子二人を連れて小学生たちと裏の山に登っていきました。
山の上の、町が見下ろせる広場に着いてしばらくすると、びっくりするくらい大きな波が襲ってくるのが見えました。あっという間にたくさんの家が流され、たくさんの自動車が波に流されていくのが見えました。
小学校もみるみるうちに波と水煙に隠れて見えなくなっていきました。
お母さんはふたりの娘の手をぎゅっと握ったまま町が無くなっていく様子を見ていました。
小学校の子供たちは全員無事でした。
お母さんは「娘を連れて帰っていたら全員死んでいたに違いない。先生のおかげで三人の娘と自分の命が助かったんだわ」とわかりました。
この小学校では、毎年欠かさず津波の避難訓練をしていました。大きな地震が来たら絶対に全員を裏山に連れて行く、絶対に子供たちを家に帰さない、ということが確認されていました。
そのおかげで、たくさんの子供たちの命が助かったのでした。
これは本当のお話です。
じゃ、おやすみ。


2012-07-29 20:46  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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