オグロプレーリードッグの得意技 その2 [小さな動物シリーズ]
プレーリードッグの仲間で尻尾が黒いオグロプレーリードッグは、立ち上がるだけじゃなくて、立ち上がったら両手でパチパチと拍手をするのが得意技です。
ある小学校で運動会の練習をしていました。
Cくんは10人11脚のレースで1等賞をとろうと張り切っていました。
でも、Dくんの脚がみんなよりもだいぶ遅いので、どうしても練習レースで1等賞になれませんでした。
Cくんはみんなに言いました。「Dくんの脚がちょっと遅いのでみんなが転びそうになっています。10人11脚は最後の人がゴールしないとゴールにならないので、みんなだけ速く走ってもダメなんだよ。直線はDくんと同じ速さで走り、カーブの所は内側の人が外側の人のスピードに合わせてあげる様に協力しなくちゃいけないんだ」
それを聞いたみんなは、「そうだね。みんなで速さを調節する練習をしよう」と言いました。
それから運動会の本番まで、Cくんたちは一生懸命にみんなと心を合わせる練習をしました。
いよいよ運動会の日がやってきました。
CくんもDくんもみんなも、練習の成果を発揮しようと張り切っていました。
10人11脚のレースが始まりました。
Cくんたちは速さを合わせながら頑張って走りました。ところが、ゴール前でひとりが転んでしまったのです。みんなあせりました。
でも、「みんなで一緒にゴールするんだ」と心に決めていたので、転んだ子が立ち上がってひもを結び直して走る準備が出来るまで、みんなはきちんと待っていてくれたのです。
Cくんたちは、ずいぶんと遅れてゴールしました。
その時です。
ゴールラインの後ろにオグロプレーリードッグが一列に並んで「パチパチ」と拍手をしました。
それにつられて応援に来ていたお父さんお母さんたちも大きな拍手をしました。
CくんもDくんもみんなもニコニコの顔をしていました。
Cくんは「1等賞じゃなかったけど、なんだかうれしかった」と作文に書きました。
じゃ、おやすみ。
共通テーマ:育児
コメント 0