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スズメの涙と幼稚園 [作者のおすすめ]

ある町に、スズメをかわいがっている女の子がいました。
朝にお庭に出て、パンくずをあげると、スズメはチュンチュン言いながら、うれしそうに集まってきました。
その女の子が幼稚園の園庭で遊んでいたときに転んでしまいました。
女の子はエンエン、エンエンと泣いてしまいました。
お友達はみんな心配して集まりました。先生は「大丈夫だよ。すぐにお薬を塗ってあげるからね」と優しく言いました。
でも、先生が薬を塗っても痛いままで、女の子の涙は止まりませんでした。
「困ったわねぇ。お母さんを呼んで病院に連れて行っていただきましょう」
と先生が言ったときでした。
「雨だ」「冷たい」と子供たちが叫びました。
「こんなにお日様が照っているのに?」先生は空を見上げました。
幼稚園の上にはたくさんのスズメが集まっていました。そして、そのスズメはみんな涙をポロポロ、ポロポロと流していたのです。
子供たちと先生は濡れないように園舎の中に戻って外の様子を見ていました。
スズメの涙は本当に小さな小さな粒でした。その粒がたくさんたくさん空から落ちてきて園庭はみるみるうちに濡れていきました。
するとどうでしょう。園庭の土から見たこともないふわふわの草がニョキニョキと生えてきました。
元気な男の子が喜んで園庭に飛び出しました。濡れた草で男の子はスッテーンと転びましたが、全く痛くありません。みんなも園庭に飛び出してスッテーンと転んで遊びました。転んで泣いていた女の子もつられてスッテーンと転んで遊びました。楽しくて夢中になっていたら、ケガをしたこともすっかり忘れてしまいました。
それからも幼稚園の園庭は草でいっぱい。子供たちは転んでもケガをすることもなく、ますます元気な子供に育ちました。
そして、その園庭の真ん中には、子供たちが作ったかわいいパンくず置き場が置かれました。
じゃ、おやすみ。


2012-03-06 10:17  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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