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モグラと仲良しになった子供

ある山の中の小さな村に、小さな家がありました。
その家には、いつも、動物と遊んでばかりいる子供が住んでいました。
最近のお友達はモグラでした。子供は畑の虫をたくさん捕ってきてモグラにあげていました。ですから、モグラはこの子供が大好きで、エサを食べた後も一緒に楽しく遊んでいました。
ところが、となりの畑のおじさんが、かんかんに怒って家にやってきました。
「お前がモグラにエサなんかやって集めるから、うちの畑は穴ぼこだらけだ。モグラにエサなんかやったって何もいいことは無いんだ。いいな、今度変な動物を集めたりしたら、許さないからな ! 」おじさんはそう言って帰っていきました。
子供は悲しくなって、しくしくと泣いていました。
その日から、村は長雨が続き、来る日も来る日も雨が降っていました。
村のみんなは畑に出ることも出来ずに、家に閉じこもって、じっと雨のやむのを待つより仕方ありませんでした。
子供も家に閉じこもって、「モグラたちのおうちは水浸しになってないかなぁ。うまく、土の奥深くに逃げたかなぁ」と心配していました。
すると、すぐ近くでドドドドドーーーっとすごい音が響き、子供の家はグラグラと揺れて、今にもつぶれそうになりました。
子供は怖くて布団の中に潜り込んで震えました。
しばらくすると、外から「大変だぁ。雨で山が崩れたぁ。おじさんの家がつぶれて土砂にうもれてしまったぁ」と叫ぶ声が聞こえてきました。
ざわざわと村の人たちが集まってくる音がしました。
子供も心配になって外に出てみました。
すると、隣の家があったところに土砂が山のように積まれていました。
子供は「ボクがおじさんに迷惑をかけたから、おじさんが山の下敷きになって死んでしまったのかなぁ。どうしよう」と思い、「誰かおじさんを助けてぇーーー」と叫びました。
その時です。子供の声が村中に響いたと思ったら、おじさんの畑の中からモグラたちが次々と出てきました。
そして、土砂の山をみんなで掘り始めました。
ものすごい数のモグラが掘ったので、土砂の山はあっという間に穴ぼこだらけになり、その奥の方から「助けてくれぇーーー」というおじさんの声が聞こえてきました。
村の人たちは力を合わせて、声のする場所からおじさんを引っ張り出しました。
おじさんは「真っ暗なところに閉じ込められたと思ったら、急に外からの光がたくさん入り込んできた。それで、助かったんだ。みんな、ありがとう」と言いました。
村のみんなは「モグラたちがおじさんを見つけてくれたんだよ」と、モグラたちの大活躍をおじさんに教えました。
おじさんは、すぐに子供のところにやってきて、「おれが間違っていた。お前がモグラと仲良くしてくれたおかげだったんだな。これからは、モグラでも何でも、いっぱい動物を連れてきて遊んでいいぞ。おれも、これからは動物を大切にするからな」と言ってくれました。
子供は2倍3倍嬉しい気持ちになりました。
村は久しぶりに雨がやんで明るくなりました。村の人たちの心も明るくなりました。
じゃ、おやすみ。


2012-03-31 09:07  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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