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Aちゃんの勘違い

お母さんは、「どうして、ジャージの中にこれが入っているのかしら ? 」と首をひねりました。
いつものようにお母さんがお洗濯をしようとして、Aちゃんのジャージを持ち上げたとき、パンツのポケットが飛び出していました。「何が入っている」と思って中身を見てみたら、それは、15センチの定規でした。
「ジャージに定規 ? 」
お母さんは、なぜAちゃんがジャージのパンツのポケットに定規を入れたのか考えてみました。
学校の算数か図工の時間に定規を使った。その定規をAちゃんは間違えてジャージのポケット入れてしまった。うーん。算数の定規は算数セットの中の物を使うはずだし、定規だけしまい忘れることはないと思うなぁ。きのう図工は無かったはずだし、図工用の定規は30センチの物を持っているはずだわ。
次に考えられることは、そうだ、Aちゃんは急に背中がかゆくなった。そこでペンケースからこの15センチの定規を取り出して背中をかいた。そして、その定規がポロッと落ちてポケットに……。違うなぁ。
お母さんは、おれこれと想像しましたが、ジャージのポケットに定規が入る理由はひとつも思いつきませんでした。
「ま、いいか。学校から帰ってきたらAちゃんにきいてみようっと」
お母さんは考えるのに飽きてしまいました。
夕方になり、小学校からA ちゃんが元気に帰ってきました。
Aちゃんは、帰ってくるとすぐに「お母さーん。ボクのジャージに定規が入ってたの気が付いたぁ ? 」と叫びました。お母さんは、「気付いたわよ。でも、どうしてジャージに定規が入っているのか、全然わからなくて、お母さん困っちゃったわ」と言いました。
「本当 ? じゃ、ボクの作戦、大成功だ」とAちゃんは言いました。
お母さんが、「何の作戦だったの ? 」ときくと、「先生がね、いつもはしないことを1つして、おうちの人を驚かせましょう。っていう宿題を出したんだよ。お母さんが驚いたから、作戦成功だよ」Aちゃんは言いましたが、お母さんは、「それはね、普段やっていないようないいことをしておうちの人を感動させましょうっていう意味でしょうが」と言いながら、Aちゃんをしかりました。
Aちゃんは、しょんぼり。「どうしよう。おうちの人が何て言ったか、先生に言わなきゃならないのにぃ」と言いました。
お母さんは、「正直に、お母さんにしかられましたって言いなさい ! 」と言いました。
じゃ、おやすみ。

お読みいただいて、ありがとうございます。
参考までに、現在の人気のお話トップ10をお知らせします。是非、読んでみて下さい。
1、犬は覚えていた
2、怠け者とお殿様
3、アメリカクロクマの進化
4、昭和の写真館
5、こびとの子供たちと積み木
6、耳の短いウサギの話 その1
7、おなかの大きなお母さんの活躍
8、世界一高いタワーをささえるもの
9、カワネズミとおばあさんの涙
10、犬とプチプチ
次点、川に飛び込んだ少年 です。


2012-04-23 09:17  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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