キルクディクディクと病気の子供(耳の短いウサギの話スピンオフ) その2 [耳の短いウサギシリーズ]
さて、キルクディクディクたちが空を飛ぶ写真を大きくプリントをして、Jさんは息子のKJの病室にやってきました。
KJは、今日もつまらなそうな顔をして、ベッドに寝ていました。
Jさんは、「すごい写真が撮れたんだぞぉ」と言って、キルクディクディクたちが大空を飛んでいる写真をKJに見せました。
KJは、びっくりしました。
「パパ ! ボクもキルクディクディクが飛ぶところを見たい ! 」とKJは叫びました。
その顔を見て、Jさんは、「KJがこんなに生き生きとした顔をしたのはずいぶん久しぶりだ。あれを見たら元気になってくれるに違いない ! 」と思いました。
そこで病院の先生に説明して、一緒に草原に出かける許可をもらいました。
今日は、JさんとKJが草原に出かける日です。
病院の先生は「草原に行くことがきまってからKJは食事も残さなくなり、顔色もすっかり良くなりました。でも、病気が治ったわけではないので、くれぐれも無理をさせないでください。」とJさんに言いました。
Jさんは、「わかりました」と言って出かけました。
ジープで何時間も揺られましたが、KJは頑張りました。ワクワク、ドキドキが押さえられない様子でした。
キルクディクディクのいる草原に着きました。
今日も、キルクディクディクたちは元気に遊んだり、草を食べたりしています。
KJは「かわいい ! かわいい ! 」と叫び続けていました。
JさんはそんなKJの様子を写真に撮り続けました。
KJはだんだんキルクディクディクたちのすぐ近くまで歩いて言ってしまいました。でも、子供だから安心しているのか、キルクディクディクたちは全然逃げることはなく、KJとキルクディクディクたちは友達のように一緒に遊び始めました。
Jさんは、また「信じられない ! 」と叫びながらシャッターを押し続けました。
キルクディクディクと遊んでいるKJの顔は、病気をする前の元気だった頃のKJの顔になっていました。
Jさんは、「やっぱり思った通りだ。KJは絶対に元気になれる。あとはキルクディクディクが空を飛ぶところを見せられればいいんだが……」と思いました。
じゃ、おやすみ。
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